まじめになることは、おもしろくない人になることだと思っていた。
周りの友達が男ばかりで、笑いこそが友達の証だった。
いいやつで仲良いひともいるけど、基本はそいつが面白いかどうかで付き合う人を無意識に決めていた。
めちゃくちゃ面白いけど、人間がクソみたいなやつもいた。でもそいつといたら面白いし、そいつと付き合うことで、自分も面白いやつなんだと思えた。
面白いやつ、というステータスを保つために大事なことはいくつかあるが、1番は「ノリ」と言ってもいい。
テスト勉強中に、ウイイレをやる。
禁煙中にタバコにさそわれて、吸う。
アポなしで家に来られて、遊びに行く。
断りたいけど、つまんなくなりたくないから断れない。
そんな考えが、無意識のうちに刻み込まれていた。
そうやって生きていくと、ある壁にぶち当たる。
まじめになりたいという欲求と、不まじめに生きる面白さとの壁だ。
毎日勉強し、早く寝て、買っちゃったノリもせずに貯金をする。
こういう生き方は、つまらないし、そういう人をつまんないやつだと思ってた。
ただ大人になるにつれて、夢を追いかけるにつれて、まじめに生きなければという欲求も生まれる。
まじめな大人になんかなりたくねえって、まさにパンクのあいさつのようなことを本気で思ってた自分にとって、まじめになることの葛藤は大きかった。
ただそんな時、あることを考えた。
まじめなやつって、本当に面白くないのかな??
芸人が全員、だらしないダメエピソードを話しているかといえばまったくそんな事はない。
まじめにネタを作って、めちゃくちゃ面白い人がたくさんいる。
話術で笑わせる人がたくさんいる。
人とは違うことをして面白いことをしてる人もたくさんいる。
なら、まじめになっても面白いやつでいることはできるじゃん。って気づけたことは大きかった。
いまでは健康について調べまくった結果、健康オタクというじぶんでもなかなか面白いとおもえるキャラになっている。
26歳の男がクソまじめに無添加ミックスナッツを食べて、サラダも山盛りたべて、玄米を圧力鍋で炊く。
極端だとは思うが、まじめでも面白いやつになれるという気づきがなければずっと、だらしないやつだったとおもう。